特別インタビュー|ソムリエ・チーズプロフェッショナル 村瀬美幸さん

特別インタビュー|ソムリエ・チーズプロフェッショナル 村瀬美幸さん

世界最優秀フロマジェコンクール2013

世界一に輝いた村瀬美幸さん。日本人としてだけでなく、アジア人全体でも史上初

 8月号、9月号の2カ月に渡り、カリフォルニアワインとチーズについて記事を執筆した村瀬美幸さんは、去る6月にフランス・トゥール市で開催された由緒ある国際チーズコンクール「世界最優秀フロマジェコンクール2013」で、日本人として初めて世界一に輝くという快挙を成し遂げた。日本の食業界で今、一躍旬な人として注目を集める村瀬さんに、話しを聞いた。

チーズの世界に入るきっかけは?

チーズの世界に入るきっかけは?

実技部門で作成された「子供のためのチーズプラトー(城)」

食べても美味、見た目にも鮮やかな豪華作品

村瀬美幸さん(以下、村瀬/敬称略):元々、国際線のフライトアテンダントをしていて、仕事でお客様にワインをサーブするので、社内のワインクラブに通い始めたんです。そこに講師としていらしていたのが、まだソムリエの世界大会で優勝する前の田崎真也さんでした。勉強するうち、ワインの奥深い世界に魅せられて、ソムリエを取得しました。さらにワインへの知識を深めたいと思い、田崎真也さんの学校に入ったのですが、そこにチーズの講座もあって。チーズやチーズ料理が子供の頃から大好きだったので、早速チーズ講座も受講しました。勉強すればするほど、ワインと同時にチーズの世界にも魅了されて。それがチーズに関係する仕事をしたいと思ったきっかけです。

世界大会優勝までの道のりは?

世界大会優勝までの道のりは?

世界最優秀フロマジェコンクール2013

日本人の快挙として、フランスやイタリアのメディアでも大きく取り上げられた

村瀬:これまでも、歴史のあるカゼウスアワードの日本大会で何度か優勝し、日本代表として同アワードの世界大会にも挑戦し、2009年に第2位を取ったのですが、世界一というタイトルへの壁は大きいものがありました。やはり日本におけるチーズの歴史は浅いので、フランスやイタリアなど長い歴史に育まれ、チーズを勉強する環境の整った国から出場する方に太刀打ちするのは難しくて。今回のコンクールは筆記と実技の二つの部門に分かれていて、筆記の方は準備すれば勝てると思ったのですが、問題は実技の方でした。でも、私には他の出場者とは違う、日本人としての繊細な感性があり、イタリアやフランスの方の真似をするのではなく、自分なりのチーズの世界を表現しようと思って臨みました。結果を聞いてトロフィーを手渡されたときは信じられませんでしたが、寝る間を惜しんで協力してくれた仲間に喜ばれ、やっと実感が湧いてきた、という感じです。

今後の抱負は?

今後の抱負は?

村瀬美幸さん

チーズを楽しむ空間「The Cheese Room」を主宰

村瀬:今年5月に、The Cheese Roomという学校を開校しました。日本で唯一、チーズを本格的、専門的に学べる教室です。まだ開校して間がありませんが、すでにお教室に通われた生徒さんの中から、チーズプロフェッショナル協会の試験に合格する方が、誕生しております。チーズの専門家になりたい方、ご自宅でチーズを楽しみたい方、レストランにお勤めの方など目的は皆さん様々ですが、チーズが大好き、という気持ちの元に、楽しく通ってくださっています。

 これからもThe Cheese Roomを中心に、テレビ、雑誌などメディアへの出演も通じて魅力的なチーズの世界を広くご紹介し、日本におけるチーズの普及に尽力していきたいと思っております。


Miyuki Murase■日本ソムリエ協会認定シニアソムリエ、チーズプロフェッショナル協会認定チーズプロフェッショナル、フランスチーズ鑑評騎士。岐阜県出身。東京都京橋で、チーズを楽しむ空間「The Cheese Room」を主宰。チーズの講座を各種開催している。上智短大卒業後、全日本空輸株式会社国際線客室乗務員時代にソムリエの資格を取得。その後田崎真也ワインサロンでワインやチーズ講師として長年活躍し、同支配人も務めた。2009年国際カゼウスアワード世界第2位の成績を残す。2013年、フランストゥールで開催された国際フロマジェコンクール2013で優勝し、世界一のフロマジェ(cheesemongerチーズ販売職人)に輝いた
【ザ・チーズルーム公式ウェブサイト】 the-cheeseroom.com


2013年09月号掲載