LAクラフトビールを知って、新しい楽しみ方を見つけよう

LAクラフトビールを知って、新しい楽しみ方を見つけよう
Photo by Kaori Suzuki / Coverage Cooperation by The Bruery

あなたはどんなビールを飲んでいますか?
実は、ビールには数えきれないほどの種類があるのを知っていますか?
もしかしたら、あなたが長年飲み続けているビールは
数千あるスタイルのほんのひとつかもしれないし、
逆にずっとビール嫌いだった人は、今まで知らなかったビールを味わい、
初めてその奥深さに目覚めるかもしれません。
今が旬のLAクラフトビールを知って、新しい楽しみ方を見つけよう!

世界が注目のアメリカンクラフトビールマイクロ・ブリュワリーが熱い! 1

世界が注目のアメリカンクラフトビールマイクロ・ブリュワリーが熱い! 1

(左)BEER、LOVE、HOPEがテーマの「モンキッシュ」

(右)「スモッグシティー」のビアフライトメニュー

 今、アメリカ西海岸で最も面白いと言われているのは、数年前より次第に拡大し始めたクラフトビールカルチャー。大量生産の有名メーカーのビールに飽きたビール愛好家達が注目するのは、「マイクロ・ブリュワリー」と呼ばれる小さなビール工房である。

 大手のビールメーカーから独立したビール職人や、ビール好きが高じて趣味からビジネスに拡大したケースなど様々なクラフトビールが存在し、それぞれのバックストーリーもユニークな上、そのクオリティーに対する国内外の評価も高い。今、アメリカのクラフトビールは世界中から注目を集めているのだ。

世界が注目のアメリカンクラフトビールマイクロ・ブリュワリーが熱い! 2

世界が注目のアメリカンクラフトビールマイクロ・ブリュワリーが熱い! 2

(左)店内からブリュワリー全体が見渡せる「スモッグシティー」

(右)「ストランド」のオシャレな木製のタップ

クラフトビールって?

 ところで「いったいクラフトビールって何?」と思う人も多いはず。クラフトビールとは、小規模のブリュワリーが、独自のレシピで製造するビールのこと。日本でなじみがあるのは「地ビール」という言い方だが、「地元」や「地域限定」というイメージが強く、現に町おこし目的で始まった地ビールは、味が完成されずに結局話題作りだけで終わったものも多かった。しかし、「クラフト」を追求し続けたブリュワリーは単なる流行だけに終わらずにしっかり生き残り、着実に味のクオリティーを上げ続けたため、最近では「職人が丹精込めて作った」という思いを込めて「クラフトビール」と呼ぶことが多くなった。

 一方アメリカでは、西海岸を中心に1980年代から徐々に浸透し始めた「ホームブリューイング」がクラフトビールの歴史に大きく影響している。家で家族や友人と楽しむ目的でオリジナル醸造したビールが 、大手メーカーのビールと一線を画したクラフトビールとして次々に誕生。自宅のガレージでスタートし、本格的にブリュワリーを作るまでに至ったケースも多く、小規模ながらも地元密着のブリュワリーが着実に力をつけていった。

 平日夜や週末にビールを味わう近所の隠れ家的スポットや、大規模ブリュワリーに成長し、地域コミュニティーのアイコン的存在として賑わいをみせる人気店など、それぞれ個性もさまざま。どちらもその場でフレッシュな作り立てを楽しめるのが魅力で、LAやオレンジカウンティーエリアではここ数年、週末にブリュワリーツアーを開催する企業が登場するなど、まるでワイナリーツアーのように、ブリュワリーを楽しむビール好きが急増中だ。

世界が注目のアメリカンクラフトビールマイクロ・ブリュワリーが熱い! 3

世界が注目のアメリカンクラフトビールマイクロ・ブリュワリーが熱い! 3

(左)ビアベリーのビールの達人リック

(右)週末の夜はいつもウェイティングが出る人気のビアベリー店内

スタイルを知るとますます楽しい!

 通常の大手メーカーのビールに加えて、クラフトビールはその種類が多いのが特徴で、醸造法のほか、エール別、原材料ごと、ビールの色などで区別されたスタイルが数千以上あると言われている。店に入るや否や、「とりあえずビール!」というのがクセだった人も、甘いビール、お茶のようなビール、フルーツビールとそれぞれの特徴を知ると、デザートをビールで締めることもできるほどにクラフトビールはバラエティーに富んでいる。

 自分の好みが分からないときは、クラフトビールバーに行ってみよう。ローカルのクラフトビールを集めたお店が最近続々と登場している。

世界が注目のアメリカンクラフトビールマイクロ・ブリュワリーが熱い! 4

世界が注目のアメリカンクラフトビールマイクロ・ブリュワリーが熱い! 4

(左)フライにはピルスナー系がオススメ

(右)ビアベリーオーナー、ジミー&ユメ・ハン夫妻

クラフトビールの良さ

 「地元のビールばかりだから、小さいサイズで仕入れられるし足りなくなればすぐに補充もできる。ローカルビジネスと助け合えるし、お客さんには常にフレッシュな美味しいビールを提供できるしクラフトビールにはいいことしかない!」とは、大人気のクラフトビールバー「ビアベリー/beer belly」のオーナー、ジミー&ユメ・ハン夫妻。元々不動産会社の社員だったジミーさんは一念発起して、ローカルにこだわったクラフトビールバーを2011年5月にコリアタウンにオープンした。

 ボトルの他、12種類のドラフトクラフトビールを提供。ストランド、モンキッシュやイーグルロックなどのローカルブリュワリーの他、サン・ディエゴのストーンなど、南カリフォルニアのクオリティーの高いクラフトビールを取り揃えている。 現在、フードネットワークで取り上げられるなどメディアへの露出が増え、世界中のアメリカンクラフトビールファンが訪れる繁盛店に成長した。

世界が注目のアメリカンクラフトビールマイクロ・ブリュワリーが熱い! 5

クラフトビールの基本スタイル

数えきれないほどあるスタイルの中から、まず押さえたい5つをご紹介

Pilsner/ピルスナー
ほどよい苦みと炭酸の喉越しを感じる軽めのドイツ系ラガー。チェコのピルゼン地方が名前の由来。1杯目のビールとして、また油っぽい食事と共にライトなクラフトビールを楽しみたい人にオススメ。ちなみに、「プレミアムモルツ」「スーパードライ」「一番搾り」など日本の大手メーカーのほとんどのスタイルはピルスナーである。

Pale Ale/ペール・エール
ピルスナーより味は濃く、やや苦く、香り高いイギリス系エール。フルーティーで華やかで、クラフトビールの中では王道的存在。クラフトビールを初体験する人にオススメ。アメリカン・ペール・エールや、ベルギー・ペール・エールなど、さらに細かい分類も。アンバー・エールはやや濃いタイプ。

IPA/アイピーエー
ペール・エールの仲間でもあるIPA(India Pale Ale)は、19世紀にイギリスからインドへビールを運ぶ際、腐敗防止目的で麦芽を多めに入れたビールを作ったことが発祥。強い苦みとアルコール度数の高さ(AVB 5〜7.5%)が特徴的で、アメリカのクラフトビールと言えばIPAといわれるほど一般的。

Weizen/ヴァイツェン
最も歴史ある伝統的ドイツ系エール。苦みが少なくフルーティーで白濁しているため、「白ビール」とも呼ばれている。通常ビールは大麦を使うが、ヴァイツェンは原料の50%以上が小麦。泡立ちの良さが特徴で、ビール嫌いな人がヴァイツェンを飲んでクラフトビールにはまるケースが多いと言われる。

Stout/スタウト
「ギネス」などに代表されるイギリス系エール。麦芽を高温で焦がした、コーヒーのような苦みが特徴。味は濃く重めで「黒ビール」の代表とされる。少しアルコール度数の弱い「ポーター」や、ドイツ系ラガーの「シュヴァルツビア」も黒ビールとして有名なスタイル。

会社概要

会社概要

社名: Beer Belly
住所: 532 S. Western Ave., Los Angeles, CA
Tel: 213-387-2337
Web: beerbellyla.com




取材・文・撮影 = たかつなかやこ(Patricia & Co.)

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2013年09月号掲載