変わりゆくもの変わらないものが共存している TOKYO

変わりゆくもの変わらないものが共存している TOKYO

2020年オリンピック・パラリンピック開催決定、新都知事誕生、
年間外国人旅行者1000万人突破と世界の注目を浴び、ますます活気溢れる東京。
今後数年間にわたり、公共交通機関の整備や駅の再開発があちこちで計画されており、
未来へ向けてさらに劇的に変貌を遂げる様相だ。
しかし、東京タワーとスカイツリーの2大タワーに象徴されるように、
東京は、変わりゆくものと隣り合わせにいつまでも変わらないものが
共存しているのも大きな魅力のひとつ。
そんな東京の今をお届けしよう。

変わりゆく東京 1

変わりゆく東京 1

レインボーブリッジや富士山を眺められるベイエリアは、建設ラッシュ

ここ江東区は、アクセスの便利さや充実した公共施設など住環境の良さが魅力で人口は48万人に達している

ベイエリアを中心に東京未来化計画が始動

 近年、未来都市として劇的に変わり続けてきた東京の進化は留まるところを知らず、56年ぶりの五輪開催決定がさらに拍車を掛けている。

 特に変化が著しいのは晴海、有明、お台場などのベイエリア。「コンパクトな五輪」をコンセプトに掲げ、オリンピックの中心地として競技会場を半径8㎞圏内に集中させる予定の中心地となるのがこのエリアで、スポーツ施設や選手村建設が計画されているほか、大型マンション建設や築地市場移転先新市場など、すでに建設ラッシュ状態。最新の設備が揃った施設が多い環境は、若い家族が住みやすいことで人気があり、豊洲周辺の小学校は生徒の受け入れが間に合わないほど子供の人口が増加しているという。ベイエリアは今後も大幅な人口増加が予想されている。

変わりゆく東京 2

変わりゆく東京 2

(左)2013年12月1日、現国立競技場で行われた最後のラグビー早明戦は約5万人の観衆で満員御礼

試合終了後は「さよなら国立」のセレモニー後、ユーミンが登場し「ノーサイド」を歌うサプライズがあった

(右)神宮外苑エリア

神宮外苑エリアはスポーツだけでなく斬新なアートや建造物も多い

さよなら国立競技場スポーツ都市TOKYOへ

 6年後の五輪開催にわく一方、1964年の東京オリンピックを思い出す人も多いのではないだろうか。当時開会式会場となった国立競技場は、60年経った今も、天皇杯サッカー、大学対抗ラグビーのほか、国民的アイドルのコンサートなどに利用され、老若男女に親しまれる神宮外苑のアイコンのひとつとして現在まで君臨し続けた。しかし2020年開会式に向け、ついに今年7月でその歴史に幕を下ろす。競技場は完全に取り壊され、新たに英国・ロンドン在住の建築家、ザハ・ハディド氏が手掛ける、8万人収容の新国立競技場として2019年3月に生まれ変わるのだ。五輪では開・閉会式、陸上競技、サッカー、ラグビーの会場になる予定で、2019年のラグビーワールドカップを始め、サッカーの国際試合や陸上競技の日本選手権など文化・スポーツ関連イベントに使われる。五輪開催を機に、神宮外苑エリアも大きく生まれ変わり、誰もがスポーツに親しむことのできる街を目指す東京のスポーツ一大拠点のひとつとなる。ちなみに日本武道館(柔道)、両国国技館(ボクシング)、東京体育館(卓球)などは、既存施設が五輪会場として使われる。

変わりゆく東京 3

変わりゆく東京 3

四季折々の景観が人気の明治神宮外苑。

いちょう並木は保護活動が盛んに行われている

環境大国ニッポンへゴミ埋立地が美しい森に

 東京湾には、ゴミと建設発生土で埋立てられた中央防波堤内側埋立地が浮かんでいる。埋立られているのは、1973年から1986年の間に集積された1230万トンのゴミで、ここに2016年に誕生予定なのが、「海の森」プロジェクト。高さ30メートルに及ぶゴミの山に苗木を植え、美しい森に生まれ変わらせようというもので、スダジイ、タブノキ、エノキ等の苗木を48万本、市民や民間企業からの募金による植樹がすでに始まっている。また、この「海の森」を起点に、お台場、晴海、築地、皇居、新宿御苑、明治神宮といった都内の大規模緑地を、街路樹で繋いでいこうという緑化計画が進行中。美しい景観作りに役立つほか、緑がCO2を吸収することで地球温暖化を防ぎ、ヒートアイランド対策として環境問題の解決策にもなるので、未来の地球環境を守る上でも期待されている。

 ちなみに「海の森」は馬術、ボート、カヌー、マウンテンバイク競技会場として五輪にも使われる予定だ。

変わりゆく東京 4

ハード面の進化と共に心のバリアフリーを目指して

 ベイエリアの主要鉄道「ゆりかもめ」が、今年、車両の全面リニューアルを行った。車椅子スペースと優先席を拡充し、ランプやチャイム、点字でドアの開閉を知らせるなどのバリアフリー設備と、日英中韓4カ国語表示やつり革の高さを3種類設定する等のユニバーサルデザインに徹している。このように公共交通機関や観光地は、年齢や障害の有無、文化や国籍の違いで戸惑うことなく、誰でも安心して利用できる場所が次第に増えている。今後は、ハード面と共に、心のバリアフリーといったソフトの部分も社会に浸透させていくことが大きな課題である。


文・写真 = たかつなかやこ

変わりゆく東京 変わらない東京 TOKYO 2014 〜その2〜へ

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2014年03月号掲載