楽しみの多いシーズン

楽しみの多いシーズン
©G.O. Parsons

 実りの秋。いよいよ始まるホリデーシーズン、街には収穫されたばかりの美味しい食材が溢れ、ハウスパーティやイベントが多く開催される季節がやって来た。楽しみの多いシーズンなのは間違いないが、同時に食べ過ぎ、飲み過ぎとの闘いの季節であるのも事実。そこで今月は、LAで今話題のワークアウトに注目し、この時期をトレンドワークアウトで快適に乗り越える方法や、ケガや病気を予防するために、自宅でできるトレーニングをご紹介しよう。

ワークアウトはなぜアメリカで盛ん?

ワークアウトはなぜアメリカで盛ん?

ベニスビーチにあるボディービルダー御用達マッスルビーチ。10ドル払えば誰でも利用できる

 次々と新しいワークアウトが誕生するフィットネス先進国アメリカ。80年代のエアロビクスに始まり、2008年のビリーズブートキャンプやトレイシーメソッドなど日本でも大ブームを起こしてきたワークアウトの多くはアメリカ西海岸発である。60年代から各地にスポーツジムができ始め、学校教育にエクササイズを取り入れるなどした結果、アメリカ人の多くは若い頃から日常的に運動することが習慣になっており、その普及率の高さは世界トップクラス。肥満人口率の高さや、パソコンの普及によるデスクワークが増えた事で、日常生活をしていただけでは、体を動かす回数が激減するというライフスタイルの変化も、普及率を加速させている。このような理由からアメリカでスポーツクラブなどのメンバーになっているのは、全人口の約13〜15%。ちなみに日本での普及率は未だ3%未満に留まっている。

 アメリカと日本のフィットネスの大きな違いは、アメリカでは60年代にボディービルが盛んに行われるようになったことが普及に大きく影響しているため、スタジオでの筋トレ等が主流であるのに対し、日本はスイミングプールが普及に不可欠な存在だった。そのため、日本のフィットネスクラブはプール付きの施設が多く、アメリカのスタジオはプールがない施設がほとんど。スタジオワークアウトの種類はグループで行う平均1時間程度のカーディオ、ウェイト系エクササイズ、ヨガ、ピラテス、ヒップホップなどのダンス系から、パーソナルトレーナーがプライベートでついてカスタマイズしたメニューで行うものまでさまざまで、目的や嗜好に合った1番効果的な方法を見つけることができる。

ワークアウトは「ダイエット+α」の傾向にキーワードは「予防」

ワークアウトは「ダイエット+α」の傾向にキーワードは「予防」

(左)屋外のフリーヨガクラスは新米ティーチャーの訓練の場でもある

(右)犬と一緒にワークアウトする人を至る所で見かけるのもLAの日常

 体を鍛え、ダイエットをして美しい体型を目指す事がワークアウトの目的である人は多く「痩せるためにはワークアウトで何カロリー消費するべきか」を重視したトレーニングが、長い間盛んに行われていた。だが近年では「メタボ対策」という言葉に代表されるように、ワークアウトの目的にも少しずつ変化が現れている。高齢者層の人口増加に比例するかのように、体の健康に直結したワークアウトを望む人が増え続けているのだ。それらの人達は、コレステロール値や血糖値を下げ、血圧を正常に保ち、同時に食事の内容も気にして、より健康で長生できるライフスタイルを構築していくためにワークアウトをする。最近は「病気予防」という観点から、病気になってから始めるのではなく、健康な状態から定期的な運動をすることで体力や筋力をキープするためや、日常生活をより快適に、困難なく長期的に維持できるために身体の機能に細かく焦点をあてたワークアウトも注目されている。

空中エクササイズからセレブトレまで進化するLAのワークアウト

空中エクササイズからセレブトレまで進化するLAのワークアウト

ワークアウトに欠かせない腕立て(プランク)のポーズ。体幹トレーニングに絶対的効果

©Sergio Angon - Sergio Angon Photography

 常に研究、改良を繰り返し、新しいトレーニングが日々誕生しているLAで話題のワークアウトをあげたらキリがない。フィットネスジムのスタジオメニューでは、スピニングと呼ばれるバイクを利用した有酸素系エクササイズが定着しており、スピニングと他のエクササイズを合体させたユニークなスタジオも続々登場している。他にはマーシャルアーツも依然として人気が高い。空手やムエタイをメインとしたカーディオクラスやブートキャンプなども盛んに行われており、ハリウッドには女性のためのキックボクシングブートキャンプ「フォクシー・アンド・フィアース/ Foxy and Fierce」も存在する。これは、正道空手の黒帯を持つクリスタル・グリーンが独自に開発した空手、ムエタイ、ヨガ、ピラテスを取り入れたワークアウトで、マーシャルアーツ好きやハードコアなワークアウトマニアが朝5時から汗を流している。

 ここ数年はTRXという米海軍特殊部隊から生まれた、天井から吊るした器具で行うエクササイズも登場。これは体重と重力を利用した新しい形のワークアウトである。また「シルク・ド・ソレイユ」などに代表される空中パフォーマンスにヒントを得て考案された「エアリアルエクササイズ」もTRXと同様の進化系エクササイズとして注目されており、天井から吊るした布を使って、ストレッチや筋トレ、体幹トレを行う。また変わり種としては、超セレブ的ワークアウトがある。内容は1回600ドル以上かけ、有名パーソナルトレーナーについてトレーニングを行った後に、豪華ディナーとワインで乾杯するというゴージャスコース。ビバリーヒルズやベル・エアの高級層を対象に定期的に行われているという。


取材・文・撮影 = たかつなかやこ

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2013年10月号掲載