従業員の携帯電話を仕事に使用する場合の、雇用主の責任

 カリフォルニア州労働法2802条にて、雇用主は、職務を行うために従業員が負担した出費は、すべて返金することが義務付けられています。この法律は、ビジネス経費を従業員に負担させ、雇用主が利益を得ることを防ぐために定められています。ただしこの法律には、細かく何処までの出費を返金する義務があるか、説明されていません。

 個人所有の携帯電話をビジネスのために使用した場合、2802条では、何処までの負担を雇用主に義務付けるかという問題が生じます。例えば、職務遂行のために、個人所有の携帯電話使用が絶対に必要な場合、実際使った時間を従業員が支払っている毎月の固定支払い額から算出し支払うのか、それとも基本契約も含めて経費として支払うのかという問題です。

 最近では、電話使用無制限というプランがあります。また、職務上のEメールを確認する場合、Wi-Fiの電波を拾えない地域では、データ通信が必要となる場合があります。

 先月ロサンゼルス地裁で下された判決により、これらの点が明確になりました。コックラン対シュワーン・ホーム・サービスの集団訴訟で、従業員が個人所有の携帯電話をビジネスに使用した際の経費の払い戻しを求めて起こしたものです。

 判決内容は以下のようになります。
①従業員が個人所有の携帯電話を職務で使用した場合は、雇用主はその出費を負担する義務がある。
②たとえ従業員自身が携帯電話の使用料を支払っておらず、従業員とは関係のない第三者が支払いをしていたとしても、従業員は、携帯電話使用経費払い戻しを雇用主に請求することができる。
③職務のために携帯電話を使用することを想定し、携帯電話のサービスプランを変更した場合、従業員は、携帯電話使用経費払い戻しを雇用主に請求することが可能である。
④従業員の携帯電話のサービスプランにより、ビジネス使用の追加料金が発生しなくても、雇用主は、従業員の携帯電話契約料金の一部を負担する義務がある。

 この判決が発令されてから、外回りの多い業界では、会社から携帯電話を支給したり、また会社内で個人所有の携帯電話使用について、この法律に沿った規則を作成したり、社内対応が必要となっています。


2014年10月号掲載