愛される道

愛される道

 ルート66は、1926年に開通したシカゴからサンタモニカまで全長約3940キロメートル(2448マイル)の全米初のハイウェイシステム。このハイウェイが開通したことで、東西間の車での移動がより快適になり、アメリカの発展に一役買った。

 アメリカの繁栄と共に人々の生活を支えたこの国道は40年代〜50年代に需要ピークを迎える。60年代には、ハイウェイに代わりフリーウェイシステムが発達。ハイウェイよりもさらに快適で、高速で移動できるフリーウェイが作られたことにより、ルート66を通る人の数は激減。それに伴い、かつて賑わったモーテルやレストランも客足が遠のき、多くの宿場町が衰退していった。

 そして、1985年、アメリカのマザーロードと呼ばれたルート66は公式に廃線となった。ルート66の一部はフリーウェイに組み込まれ断線。また一部は軍の施設でブロックされたり、あるいは私有地となってしまった。それでも現在、約8割は公道として、一般の人が通ることのできる状態で残っている。

 今回、ルート66をロサンゼルスから逆走すること1420マイル、テキサス州ミッドポイントまで旅をしてみた。 ルート66を旅してみて

 ロサンゼルスを出発して走ること6日、ようやく中間地点の町テキサス州エイドリアンに到着した。ルート66を実際に走ってみると、人々がこの道を愛する理由がわかったような気がした。ただ単に古き良きアメリカを懐かしむだけはなく、個性的な町々を訪れ、人々と触れ合うことによって今のアメリカを感じることができるからだ。飛行機やフリーウェイによる高速移動とは違い、時間をかけてゆっくりと走る。そこで出会うアメリカは、とても優しく慈愛に満ち溢れていた。今もなお、このルート66を愛する人々がアメリカのマザーロードを作り続けているのだ。

 旅が終わり、テキサス・ミッドポイントからLAに戻り、市内のルート66を通ってサンタモニカピアへ行ってみた。LA市内のルート66は時代によって幾つかあるのだが、サンタモニカまで続くサンタモニカ・ブルバードがその1つ。ハリウッドからウエストハリウッド、ビバリーヒルズ、ウエストウッドを抜け、サンタモニカへと続く。終点のサンタモニカピアのアーチをくぐり、「End of The Trail」のサインまで歩く。

 ルートを地図上で辿るのは簡単だが、実際に走って、人々と触れ合う経験をして、改めて見るこのサインは、今までとはまったく違う意味を持っていた。サインの側にあるルート66ショップに立ち寄って、「ミッドポイントまで行ってきた」という話をしたら、お店の人は大喜びし、こんな大切な言葉を教えてくれた。「ルート66を旅するたびに、新しいアメリカを発見する。それは66に住む人と、旅人が教えてくれる」。まさにその通りだ。


取材・文 = 芦刈 いづみ/撮影 = Tak S. Itomi

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2015年1月号掲載