私は、現在ある日系の会社でH―1Bにて働いていますが、あと、1年弱で、延長も含めた有効期間の最長6年に達します。会社側は、永住権の申請のサポートを申し出てくれているのですが、ビザの有効期限が1年未満なので、周りから、もう間に合わないと聞きました。諦めるしかないのでしょうか?

 永住権の申請期間は、現在、約2〜3年を要しています。しかしながら、あなたような場合でも、H―1Bの6年以降の延長を行い、これと平行して永住権の申請を行うことができる可能性は十分にあります。

 雇用を通して永住権を取得するプロセスは、細かく分類すると、規定の給料の設定、人材募集広告、Labor Certtificationの申請、I―140の審査、そして、I―485(あるいはConsular Processingを通して)の審査の5つに分けられます。

 現在では、最初の規定給与の設定に約6週間〜2カ月、人材募集広告に2カ月(人材募集広告を約1カ月間告知した後、その募集に対する応募者の反応を見るためさらに1カ月間待ちます)、Labor Certificationの申請に約10カ月程時間を要しています。この段階で、約半数の申請書が監査に掛かりますが、これに掛かった場合、さらに1年を要します。そして、I―140の審査に約8カ月(Premium Processingの場合、通常の申請料に1225ドルを追加で支払えば15日間)、最後のI―485の審査に、約8〜12カ月を要しています。最初の手続きである、規定の給料設定とは、EDD(労働局)が、その役職および就労を行う地域において妥当だと判断する給与額を決めるプロセスのことを言います。つまり、I―140の申請の段階で、スポンサーとなる会社が規定給料を支払えるだけの経済的能力があるか否かが審査されることになります。

 ここで、あなたのケースに適用される法律ですが、永住権の申請を開始して1年以上経過した場合は、有効期限の6年以降もH―1Bが1年毎に延長できるとされています。また、I―140が認可された場合は、6年以降であっても、H―1Bの3年延長が可能となります。ただし、永住権の申請を開始したとみなされるのは、Labor Certificationの申請を開始した時点からになります。あなたの場合、規定給料の設定に要する6週間〜2カ月、人材募集広告に要する2カ月を含めても、H―1Bの有効期限が足りない期間が、恐らく約4カ月、あるいはそれ以上になります。この問題点に関して、次の2つの解決策が考えられます。

 まず、H―1Bを取得した後、過去約5年間の間にアメリカ国外に出国していた期間があれば、この間は、H―1Bの有効期間内の6年間に加算されません。もし、あなたがこの約5年間の間に、バケーション等で4カ月以上国外に出国していた期間があれば、この日数分はH―1Bの延長を6年以降もカウントできることになります。したがって、今すぐに永住権の申請を行い、その後、現在保持しているH―1Bの有効期限が6カ月を過ぎた後、この国外に出国していた期間分の延長を行います。そうすれば、延長した期限が切れる頃には、永住権を申請して1年以上が経過していることになりますので、さらに、そこから1年間のH―1Bの延長が可能になります。

 次に、あなたが過去5年間にアメリカ国外に出ていた日数が4カ月に満たない場合ですが、この場合は、これからの1年の間に、足りない期間分、国外に出ることにより、4カ月のH―1Bの延長を行うことができるようになります。例えば、過去5年間にアメリカ国外に出ていた期間が3カ月しかないような場合、足りない1カ月の期間をこれからの1年の間に、アメリカ国外に出れば、上記の例と同じように、H―1Bの延長を6年以降も4カ月間できるようになります。

 その後、最後の段階のI―485の申請を行った時点で、H―1Bの延長の必要はなくなります。I―485申請後、約3カ月で、就労許可および一時渡航許可が下りることになります。

 あなたの場合、いずれにしても時間があまりないので、できる限り永住権の申請を早く開始されることをおすすめします。


2015年5月号掲載