退職、解雇の際の給料の支払い義務

 従業員を解雇した場合と従業員が自主的に退職した場合では、雇用主の義務が異なります。

 まず、雇用主が従業員を当日解雇した場合、その日に未払い分の給料を支払う義務があります。最後の給料には、働いた日数に対する給料はもちろん、残っている有給休暇も含まれます。また、会社が従業員に対し、事前に解雇を通知していた場合は、その従業員の出勤最終日に、未払いの給料を渡さなければなりません。なお、もし給料を銀行振込にしていた場合、書面にてその従業員から事前に最後の給料も今まで同様に銀行振込にする了承をもらわない限り、小切手での支払いとなります。

 なお、仮に最終日に未払いの給料を雇用主が故意に支払わなかった場合は、遅れた期間に比例して罰金が加算されます。給料日の都合で、雇用主が最終日ではなく、次の給料日に未払い分を払う場合が頻繁にありますが、これも法律違反とみなされます。なお、罰金として、支払うまでにつき、1日分の給与の金額が加算され、最高30日間加算されます。

 例えば、ある会社が従業員Yさんを今月5日に解雇し、次の給料日である15日まで最後の給料の支払いをしなかったとします。Yさんの時給は10ドルで、通常7時間労働をしていました。この場合、雇用主はYさんに対し、1日70ドルの罰金を支払わなければなりません。そして、最後の給料を受け取るまでに掛かった日数分(10ドル×10日分=700ドル)の罰金が課されることになります。

 解雇ではなく退職した場合には、法律が多少異なります。事前通知もせず、急に退職した場合は、雇用主は退職の報告を受けてから72時間以内に最後の給料を支払う義務があります。もし、それ以上の時間が経過した場合は、解雇した時と同様に罰金が発生します。また、72時間以上前に退職通知を受けた場合は、解雇した時と同じ義務が生じ、従業員の退職日に最後の給料を支払う必要があります。

 会社の規則として、最低2週間前に退職通知をするよう定められている場合でも、従業員が急に退職しても法律違反にはなりません。また、会社が事前通知なしで、急に解雇することも法律違反とはみなされません。


2015年7月号掲載