私は、アメリカ市民と結婚しましたが、彼からの度重なる暴力に悩まされています。耐え切れず、先日、警察にレポートを提出しましたが、このことによって、彼からグリーンカードのサポートを受けることができなくなりました。警察に相談したところ、私の場合、Uビザに該当するかもしれないので、弁護士に相談してみるように言われました。Uビザとは、どのようなビザで、果たして私は該当するのでしょうか?

 Uビザは、犯罪行為を受けた被害者が、当該犯罪の調査のために有益となる証拠・証言を保持するため、一定の条件を備えた場合に、米国での滞在資格を与えられるものです。これは、政府がドメスティック・バイオレンス、性的不法行為などの犯罪の調査を重んじ、これらの犯罪の訴追手続きが円滑に進むことを確保するため、また、これらの手続きに協力できる外国人被害者を守ることをその目的としています。

 申請には、以下の4つの条件を充足することが要求されます。

 ①申請者が指定された犯罪の被害者であり、その結果として、身体的、あるいは精神的
  損害を受けたこと。
 ②申請者が、当該犯罪行為に関する情報を持っていること。
 ③当該犯罪の調査、起訴を行うにあたり申請者が今まで手助けになってきたこと、
  あるいは今後手助けになること。また、手助けになるであろう可能性が高いこと。
 ④当該犯罪行為が米国の法律に反している、あるいは米国内において起きた行為で
  あること。

 ここで指定された犯罪とは、レイプを始めとする性的犯罪、特に、ドメスティック・バイオレンスに関連した犯罪がそれに当たります。実際にはリストがあり、27種類の犯罪が指定されており、上記以外で代表的なものとしては、性的虐待、暴行、恐喝、性的猥褻行為、違法強要行為、誘拐、不法監禁、殺人、過失致死、ストーカー行為なども含まれます。

 申請方法は、I―918という申請書によって行います。申請は、犯罪の被害者であれば誰でも申請できるというものではなく、連邦、州、郡、市などにおいて犯罪行為を調査、あるいは起訴する権限を与えられている政府機関(例えば警察、検察官、裁判官など)から、I-918 Suppliment Bという書類において認可を受けなければなりません。

 また、このUビザは、米国内に滞在している人に限らず、日本からもアメリカ大使館を通して申請することができます。扶養家族に関しては、申請者が21歳以上の場合は、申請者の配偶者および子供、申請者が21歳未満の場合は、申請者の配偶者、子供、両親および18歳未満の未婚の兄弟・姉妹も同じく申請することができます。

 Uビザは、移民局の会計年度(10月から翌年の9月まで)で、1年間に1万件(扶養家族のUビザは、この数に含まれません)しか発行されないことになっていますが、これに漏れた場合であっても、Waiting List の中に加えられ、順番が回ってくるまでの間、就労許可や再入国許可の申請が可能です。

 Uビザは一般的に4年以上の許可は下りないとされていますが、犯罪行為の調査を必要としている政府機関がそれ以上の期間が必要であると判断した場合には、延長も可能です。Uビザの申請料は、政府の政策目的により、そのため無料とされています。そして、Uビザにて3年以上滞在し、犯罪行為の調査を行う機関が必要と判断すれば、その後、グリーンカードを申請することも可能とされています。

 また、あなたの場合は、ドメスティック・バイオレンスによる被害者であるため、このUビザを申請できるだけでなく、I―360という書類を移民局に提出することによって、3年待つことなく、グリーンカードの申請を行うこともできます。この場合は、警察からのレポートだけでなく、事情を知っている人からの宣誓書、カウンセラーからのレポートなども有力な証拠になります。また、当該婚姻がグリーンカードの目的ではなかったことを証明する必要もありますので、同居していたことを示す書類、例えば、共同名義の銀行口座、保険などの準備も必要となってきます。I―360が認可された後は、I―485という書類を申請し、インタビューを待つ流れになります。


2015年6月号掲載