昔から健康食として 食べられていた玄米

昔から健康食として 食べられていた玄米

(左上)マサチューセッツの友人からいただいた新米

Photo by Sanae Suzuki / Seed Kitchen

(右上)秋の風にそよぐ稲穂(マサチューセッツで暮らす友人が育てた2014年の稲穂)

Photo by Sanae Suzuki / Seed Kitchen

(左下)玄米を炊く鍋3種類:ステンレス、圧力鍋、土鍋

Photo by Sanae Suzuki / Seed Kitchen

(右下)甘酒:米麹で作る甘酒2種類:グリーン・スピルリナとヘーゼルナッツ

Photo by Sanae Suzuki / Seed Kitchen

 10月はお米の収穫期。この時期の日本といえば、黄金色の稲穂が大地にそよぐ秋のイメージが目に浮かびます。古代から現代へ時代が移り変わっても、変わらず日本を象徴する新米の季節。

 

 米作りは2000年以上も前から日本の礎となり暦の年中行事にもなっています。1年を通じての種もみの準備後、稲作の季節を前に五穀豊穣を祈る「予祝」として行う「田遊び」。また御田植祭は田植えの前に、稲の生長と豊作を祈って行う神事として、米作りの過程の中でも特に大切にされてきています。その後、秋に収穫された新穀を天神地祇に捧げ、農作物の収穫に感謝すると共に、自らも新米を食す祭典として新嘗祭があり、毎年11月23日(勤労感謝の日)に天皇が執り行う宮中祭祀となっています。

 

 日本人にとってお米は主食。食の要です。マクロビオティックでは、精製された米ではなく玄米を主食にして食べることを基準にしていますが、白米は江戸時代に上流階級が常食していました。その当時の歴史上の著名人では、徳川家光、綱吉、家定、家茂そして桜町天皇の名前が記録に残っていますが、皆脚気を患っていたそうです。明治時代以降、地方の庶民層にまで白米を常食する習慣が広まり、玄米で補われていた当時未知の栄養素であるビタミンB1を補えなくなり、そのため脚気が国民病とまで広まるほどに。しかし白米はそれまで一般庶民が食べることを規制されていたため庶民の憧れとなっており、玄米は貧乏食と言われました。その名残で現在でも日本人は白米派が断然に多いと言えます。また玄米は栄養価は高いけれど消化しにくいと思われがちですが、きちんとした炊き方を覚えればふっくら美味しく、消化しやすい玄米を食べることができます。実は玄米には多くのビタミン、ミネラル、食物繊維が含まれていてマクロビには欠かせない全粒穀物です。他に米麹と玄米で作った甘酒は自然の甘さで栄養豊富なドリンクとして、近場のナチュラルマーケットでも購入できます。アトピー性皮膚炎や鼻炎などアレルギーを持っている人は、牛乳の代わりにおやつとして甘酒を飲んでみてはいかがでしょうか。

 

  玄米は一粒の米の種が万倍になって稲穂が実ると言われるくらい縁起が良く、実であり種子でもある、健康の種です。玄米を一口最低50回は噛んで毎日食べると、健康になり病気も防げるということを過去20年間体験してきました。特に秋の始まりには美味しい玄米を食べて健康になっていただけたらと願います。

 

マクロビ・レシピ

ビタミン、ミネラル、食物繊維を豊富に含む玄米で健康管理

レシピ1:玄米の炊き方基礎(無圧力)

レシピ1:玄米の炊き方基礎(無圧力)

近頃は玄米が炊ける電気炊飯器がありますが、あえて電気炊飯器を使わず圧力鍋でもなく、お鍋で美味しくふっくら炊き上げます。


材料(2人分)

玄米
1カップ
2カップ
自然塩
ひとつまみ

作り方

  1. 玄米をボウルに入れ、水を加えてやさしくかき混ぜながら洗う。水を替えて2~3回洗う。よく水を切る。
  2. 洗った玄米を鍋(ステンレス鍋、土鍋、石鍋、鉄鍋)に移し、水を加える。蓋をして最低4〜6時間、できれば一晩水に浸ける。
  3. 浸けた玄米は蓋をしないで中強火にかけ、沸騰してきたら素早く自然塩を加え、蓋をしてフレームディフレクターを敷いて弱火で50分炊く。(炊いている間は、“赤子泣いても蓋取るな”と昔から言われているように、蓋は開けないこと)
  4. 火を止めて5~10分蓋を開けないで蒸らす(蒸らさないで蓋をすぐ開けると芯まで柔らかく炊けないため消化しにくく、ふっくらではない玄米になります)。蓋を取った時に写真のように蟹の巣のような小さな穴ができたらパーフェクト玄米のできあがりです。
  5. 濡らした木杓子・しゃもじで玄米をやさしく混ぜる。おひつ・寿司桶・木のボウルに移し、す巻き(蓋代わり)・濡れ布を被せる。

玄米は、一晩浸けてから炊くのがコツ!水に浸けた玄米は発芽し始めてから徐々に柔らかくなり、消化と栄養の吸収が良くなる。環境と季節の変化に合わせて玄米を炊く水の量は調節する。普通は、玄米の1.5倍〜2倍の水を入れる。どの鍋を使って炊くかは、気候と自分の体調で変えられる。通常はステンレス鍋か土鍋、圧力鍋がおすすめ。

レシピ2:柿入りライスプディング

レシピ2:柿入りライスプディング

食欲がない時など玄米をデザートに替えていただくのはどうでしょう?素朴なプディングに柿の自然の甘さがピッタリ。


材料(2人分)

20g
甘酒
1〜1・1/2カップ
玄米ご飯(冷ましたもの)
90g
シナモンパウダー
小さじ1/8
カルダモンパウダー
ひとつまみ
海塩
ひとつまみ
バニラエッセンス
大さじ1/4
カルダモンパウダー
ひとつまみ

トッピング

柿半分
2枚
シナモンスティック(短めのもの)
2本

作り方

  1. 柿は2〜3cm角くらいに切る。
  2. 甘酒を鍋に入れ、弱火で温める。
  3. ②にトッピング用以外の材料をすべて加え、蓋をして15〜20分程、時々蓋を取って混ぜながら煮る。ミルクが沸騰しないように注意する。
  4. ミルクの水分がほとんどなくなったら火を下ろす。
  5. お好みで温かい間か室温、または冷ましてからトッピングの柿とシナモンを飾る。

柿が季節外れの時は柿のドライフルーツや、柿以外の果物を代用しても美味しくできます。また、余った玄米ご飯があればすぐに作れるので、ちょっとした軽食や食欲がない朝にもピッタリな一品です。出来立てのアツアツを食べても冷やしてから食べても美味しいです。

マクロビオティック・カウンセラー Sanae Suzuki

Sanae Suzuki■レストラン『Seed Kitchen』オーナー。スタジオ『mugen』主宰。ガンや交通事故からマクロビオティックで回復し、食事による自然治療法を提唱する。マクロビのレシピとエッセイの著書『Love, Sanae』を英語出版。現在日本語版を執筆中
Seed Kitchen
住所: 1604 Pacific Ave., Venice
Tel: 310-396-1604
時間: 10:00am〜9:00pm
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スタジオ mugen
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Web: www.seedkitchen.com


2014年10月号掲載