私は、現在、学生ビザのステータスで米国に滞在しています。今度、永住権保有者の彼と結婚し、その後、配偶者として永住権申請を行う予定です。今までは、結婚相手が市民権ではなく、永住権の場合、長く待たされていた申請期間が短くなったと聞きました。永住権保有者の配偶者の場合について、詳しく教えてください。

 確かに10月より永住権取得までの待ち時間が著しく変わりました。これは、永住権申請における最終段階の申請(I―485)に至るまでの待ち時間が短縮されたからです。

 配偶者が、米国市民権を持っている場合以外の家族申請における永住権申請は4つのカテゴリーに分かれています。

●第1優先/1st Preference
米国市民の21歳以上の未婚の子供。

●第2優先A/2nd Preference A
永住権保持者の配偶者、または21歳未満の子供。

●第2優先B/2nd Preference B
永住権保持者の21歳以上の未婚の子供。

●第3優先/3rd Preference
米国市民の既婚の子供。

●第4優先/4th Preference
米国市民の兄弟姉妹
(この場合、スポンサーとなる米国市民は21歳以上であること)

 今までは、移民法201条(INA §201(c))によって、年間でどれだけの人数に永住権を与えるかが定められていたため、配偶者が米国市民権を保持していない場合は、移民局に永住権の最初の段階の申請(I―130)をしてから第2段階の永住権の申請(I―485)をするまでに、かなりの時間を要していました。

 例えば、現時点(2015年11月)であれば、第1優先のカテゴリーでは、2008年2月22日に申請を開始した人の順番が回ってきています。第2優先Aでは、2014年5月15日、第2優先Bでは、2009年2月8日、第3優先では、2004年6月15日、第4優先では、2003年3月1日です。

 しかしながら、先月から開始された制度の下では、従来の優先順位の日付の随分前に、別の優先順位が定められ、この日付が来た時点で、第2段階の永住権の申請(I―485)に進めます。

 今月の例だと、第1優先のカテゴリーでは、2009年5月1日、第2優先Aでは、2015年3月1日、第2優先Bでは、2010年7月1日、第3優先では、2005年4月1日、第4優先では、2004年2月1日です。これらの日付が回って来た時点で、第2段階の申請を行うことができるのです。ただし、永住権が取得できるのは、従来の優先順位の日付が回って来た後になります。

 あなたの場合、従来の優先順位の日付(今月で言うならば、2014年5月15日)が来るまで、永住権の取得までには至りませんが、新しく定められた優先順位が回ってきた時点(今月で言うならば、2015年3月1日)で、第2段階の申請を行うことができます。このことで、まず、学校に通う必要が無くなります。また、この申請の後、約3カ月で、就労許可および、一時渡航許可を取得することができ、たとえ学生ビザの有効期限が切れていたとしても米国外への出入国が可能になります。言い換えると、永住権は、まだ手元に持っていないものの、ほぼ永住権保有者と同等の待遇になります。

 従来までは、本件のようなケースは、永住権を保持している配偶者が待ち時間を短縮するため、米国市民権を申請するということがしばしば見られましたが、新しい制度では、その必要性が無くなっていく可能性が大いにあります。なぜならば、市民権取得の手続きに掛かる時間の方が、優先順位の日付が回ってくる期間よりも長く、あまり変わらないと言えるからです。

 この制度は、家族申請のみではなく、就労を通して永住権を申請する場合にも同様に用いられることになりました。ただし、日本人は、就労を通して永住権を申請する場合、従来の待ち時間自体が短いため、(将来、有効になる可能性あり)現在の状態では、あまり意味が無いかもしれません。

※これらの日付の発表は(http://travel.state.gov/content/visas/en/law-and-policy/bulletin.html ) にて検索できます。


2015年11月号掲載