特別インタビュー|弁護士
大川栄美子さん

特別インタビュー|弁護士</br>大川栄美子さん
9歳でギフティッド(天才児)認定を受け、14歳でカナダの名門5大学に合格した大川翔くんは、いかにして育てられたか?誰でも実践可能な、「子供の地頭を鍛えるコツ」を大公開!

今、日本で話題の書『9歳までに地頭を鍛える!37の秘訣』を上梓した、大川翔くんの母親で弁護士でもある栄美子さん。「息子は決して特殊ではない」と語る子育ての秘訣の数々を伺った。

英語の読み書きがままならない5歳の時にカナダの学校へ転入した大川翔くん。そのわずか4年後、9歳の時にカナダ政府に「ギフティッド」と認定され、14歳でカナダの名門大学5校に奨学金付きで合格。カナダのみならず日本でも大きな話題となった。現在ブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)科学学部の2年生として充実した大学生活を送る翔くんの才能を育んだ教育法とは?誰もが参考にできそうなエッセンスが盛りだくさんの子育て法とは?

Q:栄美子さんご自身は、どのような子供でしたか?

Q:栄美子さんご自身は、どのような子供でしたか?

7歳の時、ユネスコ世界遺産に登録されているカナダ・アルバータ州立恐竜公園のバッドランドでアクティビティーに参加(右側が翔くん)

本の虫でしたね。家に「百科事典の部屋」という和室があったんですが、そこで小説や百科事典を読んだり、考古学者や天文学者になりたいと思いを馳せながら空想にふけったりしていました。スポーツも好きで、同級生や弟たちと毎日のように野球をして遊んでいました。学校では体操部に入ったり、新聞部の部長をしたり、児童会の会長に選ばれたりと、とても活発な学生生活でした。考えてみると、どことなく翔と重なる部分があるかもしれませんね

Q:ご両親からどのような教育を受けられたのでしょうか?

Q:ご両親からどのような教育を受けられたのでしょうか?

6歳の時、近所のお姉さんと、鶏に餌をやる

3歳の頃からお稽古事として、ピアノ・ソルフェージュ・書道・水泳・絵画・体操・日本舞踊などを習っていました。特にピアノとソルフェージュが好きでしたね。

 それと、小学校4年生頃からは、社会的な事柄をテーマに、家族でよくディベートをやっていました。子供ながらに視点が広がって良かったと思ったので、自分が母親になってからは翔と同じことをして遊びました。

 他には7紙くらいの異なる新聞の読み比べもしていました。新聞ごとの社説の違い、記事にするか否かの選択の違い、同じ題材でも扱い方の角度の違いなどを見比べ、その理由を考え、家族でディスカッションするんです。物事には色々な見方があるということを知ることができ、とても有益だったと思います。

Q:子供時代、学校の勉強は好きでしたか?

Q:子供時代、学校の勉強は好きでしたか?

10歳の時のバースデー・パーティ。仲良しのクラスメイトたちを招いて(中央奥が翔くん)

学校の勉強よりも、いわゆる中学受験の勉強が好きでしたね。難問に挑み、考え抜くことがとても楽しかったです。小中一貫校に通っていたので受験する必要はなかったのですが、中学受験の勉強を一通りして模試も受けました。模試の成績が良かったため、親の方で思うところもあったようですが、通学しやすい場所に一貫校以外の適した学校を見つけることができず、結局、中学受験はしていません。

 ですが、この時の勉強は後に大いに役に立ったと感じています。算数の難問を解くことで論理的思考を鍛えることができると思います。そもそも、難問に挑み、ギリギリと考えること自体、とても楽しいことですしね。その経験から、翔にも同じように難問にチャレンジする楽しさを味あわせてやりたくて、一緒に中学受験の勉強をしました。

Q:翔くんは「自分は努力の人」だと本書で書いていますが、ご自身にも重なる部分ですか?

Q:翔くんは「自分は努力の人」だと本書で書いていますが、ご自身にも重なる部分ですか?

6歳の時、サッカーチームの試合にて(子供たちの列の後ろから2人目が翔くん)

偉業を成し遂げた方々や、社会で活躍している人達は、まず間違いなく「努力の人」だと思います。翔が自分を「努力の人」と称したのは、一見すると一足飛びに見えることでも、実は地道な努力の積み重ねであると言いたかったのでしょう。

 私自身の経験からしても、例えば司法試験の合格者たちなど、傍目には事もなげに軽々とやっているように見えることも、実のところ尋常ならざる努力をしているのが普通です。こと勉強法に関して言えば、魔法のような近道はなく、日々の努力の積み重ねが大事で、結果は自ずとついてくるものです。学問に王道なし。結果を見れば、努力の跡が見えるといえるのではないでしょうか。

Q:弁護士として忙しく活躍されるなかで、妊娠、出産と、不安はありませんでしたか?

Q:弁護士として忙しく活躍されるなかで、妊娠、出産と、不安はありませんでしたか?

5歳の時、クラスメイトのバースデー・パーティに招かれて、塗り絵と工作遊び中

特に不安はなかったです。むしろ、仕事をしていた方が余計なことを考えず、精神衛生上良かったと思っているくらいです。職場にも恵まれ、所長弁護士から「この世の中にこれ以上大切なことはありません」と応援してもらえたことは、今でも深く感謝しています。妊娠がわかった後は、育児書を読みまくり、楽しく過ごすことを心がけました。

 また先輩ママからアドバイスを受け、マタニティビクスのスタジオ(田中ウィメンズクリニック併設)に通ったり、自宅でも田中康弘院長発案のマタニティビクスDVDを観ながら身体を動かしたりしました。運動をすると心が朗らかになり、気分が前向きになるので、妊娠中も無理のない範囲で身体を動かことはプラスだと思います。

Q:ネグレクトや虐待、モンスターペアレンツなど様々な問題がメディアで取り上げられていますが、現代の教育の問題点や改善点などご意見をお聞かせください

 弁護士として刑事事件関係者と接触する機会も多かったのですが、その観点からお話しすると、問題行動を起こす人は自分自身への信頼度、セルフエスティーム(自尊感情)が低いように思います。セルフエスティームは日本語では誤解されやすい言葉ですが、英語ではネガティブな意味は全くありません。自分を大切に思えない人は、他人を大切に思ったり、尊重したりすることもできません。その結果、自暴自棄で攻撃的になりがちです。セルフエスティームを高めていく教育が、こういった問題解決の糸口になるのではないかと思っています。

 具体的には、小さな成功体験を積むことでセルフエスティームを高めることが可能になると考えています。そのコツは、目標をとことんスモール・ステップ化すること。頑張れば短期で実現可能な、具体的な小さな目標を設定し、力を集中させることで目標を実現させます。目標実現によって得られた自己肯定感を持って、また次の目標に向けて進んでいく。これを繰り返すことにより、気がついたら大きな目標を達成できるというわけです。小さな事であっても、自分で決めたことを着実にこなすという経験の積み重ねは、自信を生み、セルフエスティームも高まり、次の行動へのモチベーションへと繋がっていきます。この手法は子供だけでなく、大人であっても有効だと思います。

 また、家族とのスキンシップは、ストレス軽減に効果があると思います。スキンシップをすることで、物事を肯定的に捉えたり、細かいことにイライラせず人生を楽しむモードに入りやすくなったりします。本の中でも親子体操をおすすめしていますが、これは親子のスキンシップに役立つと思います。


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