私は日本でデザイナーとして働いていますが、知人の紹介で米国にある会社から誘いを受けています。私は大学を出ていないため、Hー1Bの申請対象者からは外れてしまいますが、友人よりOー1が取得できるかもしれないと聞かされました。就労ビザを取得できる可能性はあるのでしょうか。

 あなたの場合、まず、最初からH―1Bを諦めるのではなく、この可能性から考えてみたいと思います。

 確かにH―1Bの条件のひとつとして、4年制大学を卒業していなければならないのですが、4年制大学を卒業していなかったとしても、それに相当する経験があれば良しとされています。具体的には、1年間の学歴を3年間の職歴で代用することができます。あなたの最終学歴が高校卒業ならば、12年間(3×4=12)の経験が、短大卒業ならば、6年間(3×2=6)の経験があれば学歴を満たしていることになります。また、あなたが専門学校を卒業していれば、在学期間の半分が学歴に換算されます。例えば、2年間の専門学校を卒業していれば、1年間の学歴に換算されますから、その後、9年間の職歴があれば4年制大学相当とみなされます。それ以外のH―1Bビザ取得の条件としては、以下の内容のいずれかを満たしている必要があるとされています。

❶その業種においては、通常学士号(※あるいはそれに匹敵する経験)以上が要求されており、その職務は学士号(※)以上を保持する者でないと遂行できないほど、複雑かつ特殊であること。

❷雇用主が、その役職に従事する者に対して、一般的に学士号(※)以上を必要としていること。

❸職務内容が専門的、かつ複雑であり、その職務を行うにあたっては、通常学士号(※)以上の知識を必要とすること。

 H―1Bは、最初は通常3年、その後の延長を含めて最長6年(永住権の申請を始めて1年以上経過しているとそれ以上)までです。

 次に、あなたがもし上記の条件に当てはまらない場合、O―1の可能性を考えてみましょう。

 O―1とは高度の特殊技能者に与えられるビザです。O―1の申請には、まずあなたがこれから働こうとしている会社と契約を交わす必要があります。この契約書の中には、具体的な仕事内容(プロジェクト等)が記載されていなければなりません。さらに、ビザが認可されるか否かは、以下の条件のうち、少なくとも3つ以上を充足していることが求められます。

①国際的に認められている賞を受賞したことがある。

②入会するにあたり、厳しい条件を課されている会の会員であること。

③知名度のある出版物、あるいはメディアにおいて取り上げられたことがある。

④当該分野において、競技などの審査を担当したことがある。

⑤当該分野において大きな功績を残したことがある。

⑥専門雑誌、あるいは知名度のあるメディアにおいて記事を掲載されたことがある。

⑦知名度の極めて高い団体において仕事を行っている、または行った経験がある。

⑧収入が著しく高い。

 あなたが、上記の条件を満たしているかどうかは、移民局ではなく、専門のEvaluation団体が評価することになります。そこで認可を受けた後、移民局での審査に入ります。ただ、デザインの場合は専門のEvaluation団体が存在しない場合も多く、その場合は、移民局が判断することになります。

 O―1ビザは最長3年ですが、これは契約期間および、今後のプロジェクトの計画書の期間の長さによります。例えば、契約書、プロジェクトの計画書が1年ならば、ビザも1年しか下りず、2年ならば2年のビザが下りることになります。従って、可能であれば3年の契約書、プロジェクトの計画書を提出するのが好ましいと言えます。その後、再度3年間の延長の申請を行うことも可能です。ただし、一般的にデザインの分野でO―1を申請することは困難な場合が多いため、あなたの場合、出来る限りH―1Bの申請を検討した方が賢明だと考えます。H―1Bの申請後、抽選、あるいはその他の理由で取得できなかった際に初めて、O―1の申請を試みるのが妥当な判断だと言えるでしょう。


2016年2月号掲載