グリーンを基調とした明るい店内。大人数も対応可能

グリーンを基調とした明るい店内。大人数も対応可能

 「辛い」印象が強いタイ料理だが、実は奥が深い。中国、カンボジア、マレーシア、ミャンマーなど周辺諸国の影響を受け、香辛料、香味野菜やハーブをふんだんに使って、辛味、酸味、甘味、塩味、旨味の5つのフレーバーをバランス良くブレンド。この多様で絶妙な味と彩りも鮮やかな組み合わせがタイ料理の特徴である。

 2004年にオープンし、連日大盛況な「アヤラ・タイ・キュイジーヌ」はLAXから5分の穴場なエリアにある。週7日オープン、金曜、土曜は深夜0時までという営業時間と場所柄、空港関係者からタイの政治家まで訪れるという本格派のタイ料理レストランだ。スタッフ総勢50名を切り盛りするのが、両親からこの店を引き継いだマネジャーのヴァンダさん。明るい人懐っこい笑顔で迎えてくれる。週6日野菜を仕入れに行き、カレーも小さな鍋でオーダーごとにひとつずつ作り、常にフレッシュだという。

 タイビールはもちろんあるが、ワインも充実。小規模のワイナリーから気に入ったカリフォルニア産のワインを直接仕入れ、ワインリストは季節ごとに入れ替わる。

熱々の鉄板に載せてサーブする柔らかいビーフは自家製タレがあとを引くWhen Tigers Cry(11ドル)

熱々の鉄板に載せてサーブする柔らかいビーフは自家製タレがあとを引くWhen Tigers Cry(11ドル)

 アペタイザーのオススメはWhen Tigers Cry(11ドル)。オリジナルのタレにつけ込んだ柔らかいトライティップビーフをグリルして食べやすく切り、鉄板に載せてサーブする。タマリンドと呼ばれるマメ科の植物を発酵させて作った調味料をベースにしたソースが添えられてくるが、酸味と辛味のバランスが絶品でビールが進む。

あらゆる旨味が融合し見た目もかわいいパパイヤサラダPapaya Pok-Pok(11ドル)

あらゆる旨味が融合し見た目もかわいいパパイヤサラダPapaya Pok-Pok(11ドル)

  日本人に大人気のパパイヤサラダ(Papaya Pok-Pok・11ドル) は、ソフトシェルクラブかエビをチョイスで載せてもらえる。旬の時期であればソフトシェルが断然おすすめ。カリッとクランチーに揚げられたソフトシェルクラブと、マリネされたパパイヤ、ニンジン、トマト、ロングビーンの歯ごたえの違いを楽しめる。タイ料理のDNAと言われるナンプラー(魚の醤油)がライムジュースなどと絡み合い、さらに砕いたピーナッツが旨味を添える。レタスをカップに見立てた見た目も楽しい。パパイヤにはビタミンCとポリフェノールが豊富なため、美容が気になる女性に人気と聞いて頷ける。また青パパイヤにはパパインという酵素が非常に多く含まれており、消化促進だけでなく、代謝を活発化する働きもある。

トムヤンクンに比べるとココナッツミルクのお蔭でマイルドなThom Khah(9ドル)

トムヤンクンに比べるとココナッツミルクのお蔭でマイルドなThom Khah(9ドル)

  そして寒い時期にオススメなのは温かいスープ。世界3大スープの一つのトムヤンクン同様、タイではとてもポピュラーだというThom Khah(9ドル)を試してみることに。4人くらいでシェアできる小鍋でサーブされるこのスープ、ココナッツミルクをベースにフレッシュなハーブと搾りたてのライムの酸味、タイ唐辛子の辛味が絶妙に混じり合う。鶏肉かエビ、もしくは豆腐を好みに応じて足してもらえる。薬味としてスープの上に載せられるパクチーは、独特の強い香りが苦手な人もいるが、その香りそのものにも精神安定や胃腸の調子を良くする働きがありデトックス効果もあるという。

チリを1度ローストしてから使うタイレッドカレーは、全体的にマイルド。辛さはオーダー時に調整可能なChu-Chee Salmon(16ドル)

チリを1度ローストしてから使うタイレッドカレーは、全体的にマイルド。辛さはオーダー時に調整可能なChu-Chee Salmon(16ドル)

 この店の一番人気のスペシャルカレーはChu-Chee Salmon(16ドル)。分厚いサーモンのフィレにココナッツクリームベースのレッドカレーソースがたっぷりとかかる。サイドには温野菜のブロッコリーが彩りよく添えられる。タイ料理の真髄とも言えるバランスの良いフレーバーの一品でクセになる味。サイドのライスはヴァンダさんの父が本国から仕入れるジャスミン米。固過ぎず柔らか過ぎずカレーにマッチするほど良い炊き加減。

 辛い物の締めは少し甘いデザートを食べる。マンゴーの季節(4月〜8月)にはココナッツで炊いた甘いもち米のデザートが人気で、旬の時期にはフレッシュマンゴー、シーズン外には、カスタードを添える。

 平日のお得なランチメニューや、週末だけのスペシャルは入り口の黒板に手書きされ、いつ行っても何か新しいというワクワク感を持てるレストラン。2月のバレンタインの週末にも特別メニューを用意するとのこと。また予約、近隣へのデリバリーも可能。

 野菜がたっぷりと取れる品も多く、日本同様、主食が米のタイ料理は日本人の口によく合う。空港へのお迎え、お見送りの際などに、ぜひ立ち寄りたい店である。

アヤラ・タイ・キュイジーヌ/Ayara Thai Cuisine

アヤラ・タイ・キュイジーヌ/Ayara Thai Cuisine

住所: 6245 W. 87th St. Los Angeles, CA 90045
Tel: 310-410-8848
時間: 11:00am〜10:00pm (日〜木)
    11:00am〜12:00am(金、土)
Web: www.ayarathaicuisine.com


取材・文=村山 房子
LA在住15年。会社員、フィットネスインストラクターと多忙な毎日でも自炊は欠かさず。
Foodieな日系人のだんなと猫2匹の明るいLAライフ。
撮影 = Emi Weinsieder
神奈川県茅ヶ崎市出身。取材からライフスタイルフォト(ウェディングやファミリー撮影)まで幅広い経験を持つシルバーレイク在住LA photographer。
ブログ✳ silverlakedays.com
インスタグラム✳ https://instagram.com/geeegu

2016年2月号掲載