私は、現在の雇用主を通して永住権の申請を考えています。私にはもうすぐ20歳になる子供がおり、21歳の成人になってしまうと永住権が一緒に取得できないと聞きました。最近、永住権取得のプロセスが早くなったそうですが、今からでは間に合わないでしょうか?

 永住権の手続き期間は、2013年後半より著しく短くなっており、今もその傾向です。従来は、EB-2のカテゴリー(修士号以上の学歴、または4年制大学を卒業+5年以上の職歴がある場合)に該当する場合は、短期間(2〜3年)での取得が可能でしたが、EB-3のカテゴリー(4年制大学を卒業、または2年以上の職歴がある場合)の場合は、6年以上を要していました。現在では、EB-3のカテゴリーの場合であっても2〜3年で取得できています。

 ただし、あなたの子供の場合は、たとえ手続き期間が2〜3年であっても申請中に21歳を超えてしまうことになります。そこで、それを回避できる可能性のある方法を説明します。

 雇用を通して永住権を申請する一般的な場合、

 【第1段階】労働局への申請手続き

 ①労働局にPrevailing Wageの査定をリクエスト

 ②募集広告

 ③労働局に労働認可証(Labor Certification)を申請

 通常、Prevailing Wageのリクエスト〜募集広告完了まで約4〜5カ月、労働局の審査に約6〜10カ月、合計すると平均で1年程かかります。ただし、労働局からの監査(Audit)を受けてしまった場合(一般的にランダムに施行)には、さらに約10カ月を要することになります。

 【第2段階】I-140の申請

 スポンサーである会社が、当該従業員(申請者)に労働局が定める規定の給料を払うだけの経済的能力があるかどうかの審査。

 【第3段階】I-485の申請

 申請者自身が条件を満たしているか、犯罪歴・不法滞在歴等の審査。

 従来までは第3優先(EB-3)の申請者は、I-140の申請後、Priority Dateが来るまで順番待ちをする必要がありましたが、現在では第2優先(EB-2)の申請者と同じく、待つ必要がなくなりました。これが永住権取得までの期間が著しく短くなった理由です。そのため、この時点で第2段階のI-140と第3段階のI-485の申請を同時に移民局に行うことができます。

 Child Protection Actでは、この時点(厳密にはI-485の申請を行った時)で、子供が21歳に達していなければ、その後、永住権の取得までどれだけの時間が経過しても、その子供も同時に永住権が取得できると規定しています。すなわち、I-485の申請を行った時点で、子供の年齢を進める時計が止まると解釈されるわけです。従って、I-485の申請後、認可され、あなたが永住権を取得した際に、子供も同時に永住権を取得することができます。さらに、I-485が何らかの理由で却下され、その後、不服の申し立て(Motion to re-open、Motion to re-consider)、あるいは、上告(Appeal)を行い、その後認可を勝ち取ったような場合であっても、Child Protection Actの適用があるとされています。

 つまり、あなたの場合は、いつLabor Certificationを取得できるかが重要な鍵となります。労働局からの監査を受けない場合、先述のように、平均約1年でLabor Certificationの手続きを終了することができる一方、監査を受けてしまうと、合計で約1年10カ月にも及びます。この監査が、あなたの子供が同時に永住権を取得できるかどうかに影響するということです。

 また、永住権申請は、1つの雇用主を通してのみ申請できるのではなく、同時に2つの雇用主の下で進めることも可能です。(例えば、会社のオーナーが複数の関連会社を所有しているような場合など)。これにより、監査による遅延のリスクを軽減することも可能です。

 あなたがこれからの申請を考えているのであれば、監査にかかるか否かは、特殊な場合を除いてはコントロールできないことであるとしても、Labor Certification申請までの時間を短縮し無駄にしないためにも、早期に決断されることをおすすめします。


2016年4月号掲載