メイク・アップ・タイムについて

 カリフォルニア州法では基本的に、1日8時間以上もしくは1週間で40時間以上働いた場合、雇用主は残業代を支払う義務が発生します。

 ただし、従業員の個人的な理由や都合などを考慮して労働時間の調整に充てることをメイク・アップ・タイムと呼んでいます。例えば、ある従業員が1時間の早退を希望。1時間分を減給されるのではなく、後日労働時間を調整してカバーしたい場合、通常ではカリフォルニア州法の残業代の法律が適用され、残業代が発生してしまうのですが、次の条件を満たしていれば、メイク・アップ・タイムを許可しても残業代が発生しないということをご存知でしょうか。

 メイク・アップ・タイムはあくまでも、従業員が個人的な都合や理由で要求していることが前提です。会社が強制、奨励してしまうと、その定義に反してしまい、規定通り残業代を支払わなければなりません。

 また、従業員からメイク・アップ・タイムの申し出を書面にて会社側に提出することが義務付けられており、希望するたびに提出しなければなりません。それに対し、会社側が許可した場合のみ、メイク・アップ・タイムとして対処することができます。就労規則として実施していない会社もありますが、それを禁じることは法律違反とはみなされません。なぜならばメイク・アップ・タイムは、会社と従業員の両者が希望しない限り成立しないからです。

 注意しなければならないのは、希望した同じ週にメイク・アップする必要があるという点です。例えば、月曜日に1時間早退したい場合は、同じ週の金曜日までに追加で1時間労働しなければなりません。

 メイク・アップ・タイムによって、1日11時間以上もしくは1週間で40時間を超えてしまうような就労時間の場合も、残業代を支払う義務が生じてしまいます。例えば、月曜日に4時間の早退をしたとしましょう。そのメイク・アップとして同じ週の木曜日に9時〜21時まで働いた場合、4時間の追加労働をすることで、合計12時間の就労になってしまうため違法となります。その代わり、木・金曜日の両日で2時間ずつ働くようにすれば、まったく問題ありません。

 メイク・アップ・タイムに関して質問がある場合は、弁護士に相談することをおすすめします。


2016年4月号掲載