オーナーのアンジーさん自ら飾り付けをするかわいい店内は我が家のような居心地

オーナーのアンジーさん自ら飾り付けをするかわいい店内は我が家のような居心地

 東ヨーロッパと中央アジアの料理をメインとするレストラン、ドーマ・キッチンは、スラブ語で“家”を意味する。取材当日、生憎の天候のサンデーブランチにもかかわらず満席で、お客の楽しそうな笑い声が耳に心地良く響く。レドンドビーチの一軒家のバックヤードから始め、2015年7月に現在の場所に移転して以来、すっかりサウスベイ・エリアの人々の心を掴んでいるようである。

 何度も日本を訪れているという親日家のロシア人オーナー、アンジーさんが明るい笑顔で店内に気を配る。余計な添加物などを使わない、身体に優しい料理を、ゆっくりと楽しんで味わえるような場所を提供したいと思い、ウズベキスタン系のご主人とカザフスタン出身のシェフの3人で始めたとのこと。

 地元の新鮮な野菜や地鶏の卵を毎日農家から直接仕入れる。鶏肉はシェフが自ら挽肉にし、ラムも冷凍物を一切使わず、生のままソノマから運ぶ。東ヨーロッパと中央アジアの料理と聞いても日本人には馴染みが薄いかもしれないが、もともとウズベキスタンはシルクロードの中間地点にあり、インドからスパイス、中国から米文化が入り、そこにヨーロッパ文化が融合した料理で、実際食べてみるととても食べやすい。

色鮮やかかつ食感も楽しいオーガニック野菜をメインにしたバランスの取れた期間限定の冬サラダ

色鮮やかかつ食感も楽しいオーガニック野菜をメインにしたバランスの取れた期間限定の冬サラダ

 サラダは旬の素材を使い、3カ月ごとにメニューを変えるという。冬メニューのバターナッツ・スクワッシュ・サラダ(12ドル)を試してみる。オーガニックのルッコラをメインに、サイコロサイズにカットされて程良い歯ごたえに茹でられたスクワッシュとビーツ、ゴートチーズにザクロ、かぼちゃの種。赤、黄、緑、白と見るからに身体に良さそうな、色鮮やかなサラダのサイドには、ワインビネガーベースの自家製ドレッッシングが添えられてくる。少し酸味がきつめのドレッシングも、サラダにかけて混ぜるだけで不思議とベストなハーモニーを醸し出す。

オプションの炭火ラム肉を載せた伝統料理のPlov(プロフ)

オプションの炭火ラム肉を載せた伝統料理のPlov(プロフ)

 メインにはウズベキスタンの伝統料理であるプロフ、ブレイズド・ライス(12ドル)。まずは野菜とハーブを本国から持ち込んだ鉄鍋でじっくりと煮込んでベジスープストックを作り、それに米やひよこ豆やレーズン、刻んだ野菜にターメリックなどのスパイスを加えて炊きあげる。その上に薄く切った新鮮なトマトとタマネギのマリネが載せられる。ベジタリアンでなければさらにここに炭火で焼いて焦げ目を付けた柔らかいラム肉か鶏肉を追加で載せることも可能(ラム+8ドル)。ふわっと香るカレーの匂いが食欲をそそる。スパイスをかなり使っているようだが、辛さはまったくなく、スープを吸った米に旨味が凝縮されており、ひよこ豆やレーズンのほのかな甘さとのバランスは抜群である。炭火焼きのラムもほんの少し下味でマリネはしてあるが、新鮮だからこそのこの味、この柔らかさなのだろう。

甘味と塩味が絶妙な週末メニューのワッフルトリオ

甘味と塩味が絶妙な週末メニューのワッフルトリオ

 週末限定の一番人気のブランチメニュー、ワッフルトリオ(15ドル)は、生地から作った焼きたてのワッフルの上に、オーガニックの卵、パンチェッタ、グリーンオニオンで作るあっさりフラットなオムレツ、新鮮なイチゴとブルーベリーに自家製のふんわり甘いチョコレートソース、そして香ばしいアーモンドスライスにアルゼンチンのスイーツの代表であるドゥルセ・デ・レチェがほんのりかけられており、トリオの味が楽しめる。この一皿でデザート気分まで味わえるお得な一品な上、生野菜サラダが添えられている。

甘さ控えめの8層のロシアンケーキはコーヒーとベストマッチ

甘さ控えめの8層のロシアンケーキはコーヒーとベストマッチ

 デザートもすべて一から作る。日本人にもオススメというロシアン・ハニーケーキは、サワークリームとハチミツを混ぜ、ごく薄く切ったスポンジを8層に。ミルフィーユのような断面でしっとりとしている。オークランドのレッドベイ・コーヒー・ロースターから直接仕入れる上質なコーヒー豆をその場で挽き、木のぬくもりある大きめのフレンチプレスでサーブする。苦味のないマイルドなコーヒーはストレートでゆっくりと味わっていただきたい。

 一つ一つ丁寧に愛情込めて作る料理は、季節感ある素材の新鮮さをさらにワンランク引き上げる味付けと盛り付けで、口に運ぶだけで身体が喜んでいるのを感じることができる。我が家のような居心地の良さ、安心して口にできる良質な素材の数々、ゆったりと心地良く流れる時間。週に何度も通う客がいるというのも頷ける店である。

Doma Kitchen/ドーマ・キッチン

Doma Kitchen/ドーマ・キッチン

住所: 3562 N. Sepulveda Blvd. Manhattan Beach, CA 90266
Tel: 310-647-3157
時間: 11:00am〜9:00pm(日〜木)
    11:00am〜10:00pm(金〜土)
Web: www.domakitchen.com


取材・文=村山 房子
LA在住15年。会社員、フィットネスインストラクターと多忙な毎日でも自炊は欠かさず。
Foodieな日系人のだんなと猫2匹の明るいLAライフ。
撮影 = Emi Weinsieder
神奈川県茅ヶ崎市出身。取材からライフスタイルフォト(ウェディングやファミリー撮影)まで幅広い経験を持つシルバーレイク在住LA photographer。
ブログ✳ silverlakedays.com
インスタグラム✳ https://instagram.com/geeegu

2016年3月号掲載