労働時間の15分単位での算出方法は合法

 先月、雇用主が従業員の労働時間の給料計算を15分単位で算出するポリシーは合法だと連邦第9巡回区控訴裁判所は判断し、従業員の給料未払いの請求原因が却下されました。

 従業員は労働時間は1分単位で計算すべきとし、15分単位で労働時間を給料計算するという雇用主側のポリシーは、違法であると主張。従って15分単位で計算を行ったため未払いとなった労働時間分15.02ドルを請求し、それに基づきクラスアクション訴訟を起こしました。

 問題になったポリシーは、すべての従業員の労働時間を15分単位で記録し、給料計算の際に、七捨八入するという算出方法ですが、このポリシーが雇用者の利得のもとに運営されていたという証拠はなく、むしろ提出された証拠によると、ポリシーは中立なものでした。例えば、勤務開始時間が9時であるとして、従業員が7分早く開始しても、7分遅く開始しても、エントリーは9時になるというものです。つまり、従業員が9時7分に出勤した場合は、出勤時間は9時となるため、従業員にベネフィットがあり、従業員が8時53分に出勤した場合も、出勤時間は9時となり、この場合は、雇用者のベネフィットになります。従って、このポリシーによって、従業員と雇用者双方がベネフィットを得ることになるのです。実際、クレームを主張した従業員も、ポリシーにより主張されていた大半の労働時間が相殺され、最終的に15.02ドルのみの給与未払いとなっています。

 裁判所は公正労働基準法は従業員が稼働した分の給与の未払いを被らず中立である限り、この七捨八入の算出方法を認めています。今回のケースは、1人の従業員がある一定期間の労働時間を基準に15.02ドルの給与未払いを主張したもので、会社全体の従業員、また長期間を対象とした場合、稼働した時間よりも多く給与が支払われるケースも多々あり、結果的に中立なものであると判断されました。

 雇用者側に有利な判決となりましたが、すべての七捨八入による算出方法と運営を承認するわけではありません。特に雇用者に利得をもたらすルールと結合されているような場合、危険を伴い訴訟を招く可能性もありますので、労働時間の算出方法などについては、弁護士に相談することをおすすめします。


2016年6月号掲載