(左)毎年この季節にはアサガオが咲きます

(右)タマネギ、ニンニク、ネギなどのユリ科の植物に含まれる硫化アリルは血栓やコレステロールの代謝を促進し、血液がサラサラに


 地球に生命が誕生後、何百万年もの間、私たちの先祖は野生の穀物を食べ続けました。その結果、知識が発達し、直立するようになり、意識が高くなりました。氷河期に人間は寒い環境に適応するために、火の起こし方を発見しました。火は生活を営む様々な場面で用いられ、火を使って〝料理〟を発達させたのは人間だけです。

 料理は、私たちと環境を調和させる役割があります。自然な材料を使って、実用的な料理を作ることは、心身を健康に育み、幸せな生活を送ることに繋がっています。

マクロビオティック料理の原理

マクロビオティック料理の原理

(左)家庭で使う火はガスや炭火がおすすめです

(右)切った野菜などの食材は、分けておきましょう


 ①台所と食卓は、いつも清潔で落ち着いた状態を保ち、感謝の気持ちで料理を始めましょう。

 ②毎日摂取する食材は同じ気候区で同じ季節に栽培された、オーガニックのもの、全粒穀物と野菜を中心にしましょう。

 ③材料は、缶詰や冷凍食品を避け、できるだけ新鮮なものを料理し、一物全体で使いましょう。

 ④エネルギー交換が起きるのを避けるために、切った材料は混ざらないようにしましょう。

 ⑤調理中は、できるだけ混ぜず、調理の過程で食べ物自体が自然に混ざっていくように任せます。

 ⑥水の入れ過ぎ、火や圧力、時間のかけ過ぎ、調味料の使い過ぎなど〝〜過ぎ〟に注意しましょう。

 ⑦素材自体の甘味、旨味を引き出し、調味料の味が素材を上回らないように心がけましょう。

 ⑧常に変化する環境と心に適応するため、また変化を楽しむために、同じものを作らないでバラエティーある食事をしましょう。

 ⑨料理に使用する火は、薪が最高ですが、家庭ではガスや炭火などの自然燃料がおすすめです。電気プレート・電子レンジなどの電気調理器による調理は、食べ物の分子構造を変化させるので避けてください。

 ⑩水は湧き水、井戸水、山の小川の水などの天然水が最適です。化学薬品で処理されている水道水は、浄水器でろ過し化学物質を除去して使用しましょう。

 ⑪辛いスパイス・香辛料は、熱帯の気候区で用いられるものです。夏の暑い時、体調に合わせて楽しむために摂取するか、それ以外はなるべく避けましょう。

 ⑫使用する食器はプラスティックを避け、安全で食べ物の自然な色を引き立てる陶器やガラスのものに盛り付けしましょう。

 ⑬すべてのもの、そして自分に感謝していただきましょう。

マクロビ・レシピ

「一物全体」皮と根も上手に食べましょう。

レシピ1:パプリカのレモン漬け

レシピ1:パプリカのレモン漬け
Photo by Sanae Suzuki / Seed Kitchen

β-カロテンを多く含む夏野菜で作るピクルスは、酵素いっぱいで腸の掃除をしてくれます。そしてビタミンCで夏の紫外線対策をしっかりしましょう。


材料(4人分)

パプリカ(赤・オレンジ)
各1/2個
緑ピーマン
1/2個
★水
1カップ
★塩
小さじ1
★ローリエ
1枚
★黒こしょう
3〜5粒
レモンの皮
少々
レモンジュース
1/4カップ

作り方

  1. 各パプリカと緑ピーマンは1cm程に細長く切る。
  2. ★の材料を小鍋に入れてひと煮立ちさせて冷ましておく。
  3. 煮沸消毒した瓶にパプリカとレモンの皮を入れ、②とレモンジュースを入れる。
  4. 瓶を毎日少しシェイクする。自然に2〜3日間、発酵させて出来上がり!(室内温度によって発酵時間が異なります)

※食べるまでは冷蔵庫で保存しておきましょう。

ポイント
パプリカは、赤、黄、オレンジと3種類あります。赤パプリカは一番甘味が強く、特にビタミンCは緑ピーマンの2倍もの量を含んでいます。さらにオレンジパプリカならビタミンCは3倍、β-カロテンも緑ピーマンと比較してなんと約20倍もの量が含まれています。ニンジンや旬な野菜のピクルスも同じようにできます。

レシピ2:ネギひげそうめん

レシピ2:ネギひげそうめん
Photo by Sanae Suzuki / Seed Kitchen

暑い夏の季節、ネギひげ(ネギの根)を薬味に添えてさっぱりとした昆布出汁のそうめんに箸が進みます。夏バテ防止に効果的な一品。


材料(2人分)

昆布
2枚(5cm角)
干し椎茸
1個
3カップ
醤油
大さじ2〜3
みりん(お好み)
適量
そうめん(乾麺)
160g
インゲン豆
8本
ネギ
3本
ネギの根
3本分のネギ

作り方

  1. 昆布と干し椎茸を水に入れ、一晩置く。翌日、中火で煮立つ手前で弱火にして15分煮出し、昆布と干し椎茸を取り出す。
  2. ①に醤油と好みでみりんを入れてひと煮立ちさせる。
  3. そうめんをさっと茹で、その茹で汁でインゲン豆もさっと茹でる。
  4. ネギは細かく刻んでおく。ネギの根はよく洗ってふきんで拭いて水気を取ってからごま油でさっと炒める。
  5. お椀に②とそうめんを入れ、ネギとインゲン豆を盛り付け、ネギひげを薬味として添えて出来上がり。

ポイント
ネギは普段、脇役の野菜ですが、栄養価がとても高い野菜です。白い部分には糖質が多く、ビタミンC、カリウム、カルシウムなどを含み、緑の葉にはカロテン、ビタミンC、カルシウム、鉄が豊富。また白い部分と根にある独特の辛みと刺激的な香りは硫化アリルという成分で、血液を浄化して血行を促進し、心臓病や肝臓病などの予防効果があります。

マクロビオティック・カウンセラー Sanae Suzuki

Sanae Suzuki■レストラン『Seed Kitchen』オーナー。スタジオ『mugen』主宰。ガンや交通事故からマクロビオティックで回復し、食事による自然治療法を提唱する。マクロビのレシピとエッセイの著書『Love, Sanae』を英語出版。現在日本語版を執筆中
Seed Kitchen
住所: 1604 Pacific Ave., Venice
Tel: 310-396-1604
時間: 10:00am〜9:00pm
Web: www.seedkitchen.com


スタジオ mugen
Tel: 310-450-6383
時間: 10:00am〜5:00pm(火・水・木)
Web: www.seedkitchen.com


2015年7月号掲載