平日でも17時のオープンと共に混み始めるので、予約がおすすめ

平日でも17時のオープンと共に混み始めるので、予約がおすすめ


 今年3月にオープンしたばかり。Yelpで5つ星をキープし、6月末にLA Weeklyで紹介されたお蔭か口コミで人気が広がり店はさらに混み合い、平日でも満席が続く。ビーチフロントから数ブロック先のPCHに面した「バランズ 2239」は決して大きな店ではないが、ちょっと美味しい物をつまみながら飲みたいと思うフーディーなローカルアメリカンの心をすっかり掴んだようである。

 オーナーの一人テイラーシェフは、有名ステーキハウス「フレミングス」のキッチンのバイトから料理の道に入り大学を卒業後、有名店でキャリアを重ねていった。北トーランスで生まれ育ち、父方はイタリアン、母方は東欧系、友人はアジアンにメキシカンにと国際色豊かに育った環境が影響してか、アメリカンコンセプトでありながら、各国料理のエッセンスが光るメニューが並ぶ。長年来の友人でもありレストラン経営の経験が豊富なBaran兄弟との最高のチームワークを感じる。

 ビールは生が12種類。サンディエゴやPasoなどのブルワリーのものがメニューに並び、ボトルビールは30種ほどを揃える。ワインも豊富で10カ国以上のものが気軽にグラスでオーダーできる。

 1枚にまとめられたコンパクトなフードメニューは常時22〜25品目あるが、5〜6種類の定番オリジナルを除き、あとは常に季節に合わせてメニューを変えているため、いつ行っても何か新しいものに出会えるはず。チーズは1オンス単位でオーダー可能で、パルマ産のプロシュートやサラミもあり、つまみながらカウンターで軽く飲むこともできる。

Chilled Soba Noodle(12ドル)。登場したばかりの見た目も涼しげな夏限定の新メニュー

Chilled Soba Noodle(12ドル)。登場したばかりの見た目も涼しげな夏限定の新メニュー


 夏らしい一品のChilled Soba Noodle(12ドル)はアジアを意識した一品だそうで、取材前日から提供し始めた新メニュー。硬めに茹でられた茶そばに、ほんの少し香り付けのごま油と柚子胡椒、上に海苔ごまのふりかけと赤しそ。これにレモンで丁寧にマリネしたキュウリとコロコロに切って甘くマリネされたメロンが添えられている。食べる直前に冷えた白出汁とキュウリ出汁を合わせたものをかけると、口の中でフレッシュな酸味が白出汁と絶妙なハーモニーを醸し出す。見た目はそばというよりパスタのような涼しげで小洒落た一品。日本人にぜひ味わってもらいたいというシェフの太鼓判の夏限定メニュー。

 Grilled Octopus(22ドル)はスパニッシュタパス風の一品。3回に分けて焼くタコの香ばしさが食欲を掻き立てる。Romesco Sauceと呼ばれるオレンジ色のほんの少しピリ辛のソースが柔らかいタコとベストマッチ。添えられているアーティチョークとスパニッシュチョリソーにハーブ、カリッとした食感を加えるアーモンド・クラッシュは少し濃い目の味付けでお酒が進む。

セージの香りがふわりと香るGrilled Romanesco Cauliflower(12ドル)

セージの香りがふわりと香るGrilled Romanesco Cauliflower(12ドル)


 野菜の人気メニューはGrilled Romanesco Cauliflower(12ドル)。セージとニンニクでマリネされた緑のカリフラワーのグリルはホクホクした食感で歯ごたえと甘みがある。これにバルサミコソース、ホースラディッシュの酸味と辛味がさらに野菜の美味しさを引き立てる。コロコロとしたひよこ豆の素揚げと薄くスライスされたチェリーとの相性も良い。

フライドチキンと並んで人気のPork Belly Char Siu(17ドル)

フライドチキンと並んで人気のPork Belly Char Siu(17ドル)


 シーフードのみならず肉系のメニューも充実。Pork Belly Char Siu(17ドル)は厚めの豚バラ肉をマリネした後でじっくりと焼き上げている。適度に脂のある豚バラ肉は噛むほどにジューシーで、肉の旨みが凝縮されており甘めのタレが後を引く美味しさ。甘みのある紫キャベツのピューレとニンジン、キャベツ、シラントロ、スカリオンのコールスローが添えられてくるが、このサイドの野菜も絶品で、下ごしらえがどれだけ丁寧になされているかを随所に感じる。

おすすめデザートはMexican Chocolate Mousse(10ドル)

おすすめデザートはMexican Chocolate Mousse(10ドル)


 Mexican Chocolate Mousse(10ドル)はシェフ曰くメキシカンスモア。ドーナツ状のチョコレートムースは2層になっておりホワイトチョコにヘーゼルナッツ、ダークチョコにチリパウダーが混ぜ込まれ、下はブラウニー、上にはヌテラパウダーと甘辛味のバランスが面白い。これにピリ辛のオレンジ色のチポトレマシュマロにグラハムビスケットが合わせられ、まさにメキシカンスモアである。

 全体的に一皿のポーションは少な目で、優しい味付けはシェフの人柄を感じる。決してガイドブックなどには出てこない、ローカルに愛されている穴場。パートナー、友人と気軽に立ち寄る地元の店として知っておきたい場所である。

バランズ 2239 / Baran’s 2239

バランズ 2239 / Baran’s 2239

住所: 502 Pacific Coast Hwy. Hermosa Beach, CA 90254
Tel: 424-247-8468
時間: 5:00pm〜10:00pm(日、火〜木)
    5:00pm〜11:00pm(金〜土)
Web: http://www.barans2239.com


取材・文=村山 房子
LA在住15年。会社員、フィットネスインストラクターと多忙な毎日でも自炊は欠かさず。
Foodieな日系人のだんなと猫2匹の明るいLAライフ。

撮影 = Kenneth Murayama

2016年8月号掲載