オーナーのフランクさんと奥様のマルガリータさん

オーナーのフランクさんと奥様のマルガリータさん


 ユニバーサルスタジオから車で数分、レストランがひしめくVentura Blvd.に1986年から続くイタリアンビストロがあるという。看板のないツタの絡まる建物に一歩入ると、木製の小さなグランドピアノとバーカウンターが目に飛び込んでくる。落ち着いた音楽が軽く流れる店内は明るすぎず、暗すぎず。オープンと同時に常連らしい白人のご婦人方が連れ立って入ってくると、長身のマネジャーのモリシオさんがにこやかにお出迎え。勤続25年を超えるこのユーモア溢れる敏腕マネジャーは、ワインの知識が豊富で常時30〜40種あるというイタリア、スペインワインをすべて把握しており、好みに合わせてすすめてくれる。

とてもフレンドリーなオーナーのフランクさんはスペイン系。17歳で皿洗いから始め、ぐんぐんとキャリアアップを重ね、今や3軒のレストラン経営者となった。30年前に最初に始めたここ「ラ・ロッジア」は総勢30人のスタッフと共に切り盛りする。キューバ人の奥様マルガリータさんは大阪に数年住んでいたこともあって日本語が堪能な親日家。近所のミシュラン1つ星の日本食レストラン「あさねぼう」のシェフも時々食べに来るという。

オフメニューのSummer Special Salad(14ドル)。シンプルな味付けが素材の良さをさらに引き出す

オフメニューのSummer Special Salad(14ドル)。シンプルな味付けが素材の良さをさらに引き出す


 まずはメニューにない夏だけのSummer Special Salad(14ドル)。ヘアルームトマト、白桃、フェタチーズ、葉野菜をビネガーとオリーブオイル、塩コショウで軽く和えただけだが、口の中に入れた時の甘み、歯ごたえのバランスが素晴らしい逸品。見た目も赤、黄、緑、白色と色鮮やかで素材の良さを感じる。

 定番人気メニューだというChopped Salad(14ドル)はグリルした鶏肉、松の実、ヤシの葉の芯、アボカド、葉野菜を自家製のレモンマスタードビネガーでふんわりとトスして仕上げる。2人でシェアしてちょうど良いくらいの量だが、歯ごたえ良く優しい味は1人でも食べ切れてしまいそうである。

 人気アペタイザーのCrab Cakes(14ドル)は、軽くパン粉をつけた揚げ焼き風だが、フォークを入れた途端にほろっと崩れるくらいつなぎが少なく、カニの身がぎっしりと詰まっている。下に敷かれているマイルドな緑のアジャリ・アボカドソースとベストマッチ。

「温かいうちにどうぞ」と言われたSpaghetti alla Carbonara(24ドル)。くどすぎないソースがパスタと絶妙に絡み合う

「温かいうちにどうぞ」と言われたSpaghetti alla Carbonara(24ドル)。くどすぎないソースがパスタと絶妙に絡み合う


 数あるパスタから今回は日本人にも馴染み深いSpaghetti alla Carbonara(24ドル)を注文。厚めのベーコンが香ばしい香りを放つ。アルデンテに茹でられたやや太めのスパゲッティに塩茹したグリーンピースとパンチェッタが味を一層引き立てる。こってりしたくどさがなく、生クリームと卵黄が適度なバランスですべてをまとめる。

赤ワインが進んでしまうPrime New York STK(48ドル)。程良く脂が落ち、適度な噛みごたえで肉本来の旨味を感じるお得な一品

赤ワインが進んでしまうPrime New York STK(48ドル)。程良く脂が落ち、適度な噛みごたえで肉本来の旨味を感じるお得な一品


 メインは、肉好きにはたまらない熟成肉のPrime New York STK(48ドル)。「この値段でいいの?」と言いたくなる質の高さとボリュームである。サーブしてくれたスタッフは以前ステーキハウスで働いていたが、「これだけの質のものは、このプライスではあまりないよ」と言う。木製のボードの真ん中に10切れ程に切られたビーフは、パーフェクトなミディアムレアの焼き加減で、程良く脂も落ちていて柔らかく、牛骨で出汁を取ったオージュソースがコクを出す。ハウスの赤ワインは、口当たりがスムーズ。サイドにはホクホクのエッジポテトが添えられ、オレンジ色のつぶつぶ食感のアイオリソースを付けて食べる。さらにスペイン北部特産だというペキオピーマンのグリルも添えられてくる。2〜3人でシェアできるボリュームたっぷりな一品。

Napoleon Banana Pie(10ドル)は、焼き上がったばかりのパイ生地にバニラアイス、バナナ、キャラメルソースを絡めて頬張る至福の美味しさ

Napoleon Banana Pie(10ドル)は、焼き上がったばかりのパイ生地にバニラアイス、バナナ、キャラメルソースを絡めて頬張る至福の美味しさ


 デザートの一番人気はNapoleon Banana Pie(10ドル)。サクサクのパイ生地の間にスライスされたバナナとバニラアイス、甘めのキャラメルソースが下に敷かれている。Spanish Flan(8ドル)は、上に細いオレンジピールが載せられているが、日本の柔らかプリンそのもの。甘すぎない繊細な味。中からとろっと苦味のあるチョコレートが流れ出る温製デザートのChocolate Volcano(10ドル)は、バニラアイスとフレッシュストロベリーがりを添える。

 全体的にあっさり目の味付けで、数人でシェアできる適量。午後6時30分にはほぼ満席となる日が多いとのことなので予約がおすすめ。看板はないが、ツタの絡まる建物を目指して行けば迷子にはならないはずである。少し年齢層高めの大人の店で、場所柄エンタメ業界関係者も多いとのこと。美味しいパスタにワインを家族、友人と気取らずに楽しめる店。数十人単位のパーティも可能。不定期なピアノ演奏のある日を確認して、ぜひまた立ち寄りたい店である。

ラ・ロッジア/La Loggia

ラ・ロッジア/La Loggia

住所: 11814 Ventura Blvd., Studio City, CA 91604
Tel: 818-985-9222
時間: 11:30am〜2:00pm(月〜日)
    5:30pm〜11:00pm(月〜日)
Web: www.laloggiastudiocity.com


取材・文=村山 房子
LA在住15年。会社員、フィットネスインストラクターと多忙な毎日でも自炊は欠かさず。
Foodieな日系人のだんなと猫2匹の明るいLAライフ。

撮影=Shizuka Sherry
山形県出身。ZUMBA®インストラクターであり、主婦であり、フォトグラファー。
ある日写真に目覚めて以来、ポートレート、スナップ写真、自然など色んなジャンルの写真を撮っている。現在もフォトグラファー鈴木香織さんの元で鋭意勉強中。
HP✳ www.shizukasherry.com
Instagram✳ https://instagram.com/shizuka.sherry

2016年9月号掲載