私は、日本の医療部品の製造・販売会社に勤務しており、商談のために頻繁に渡米しています。つい先日、米国入国の際に止められ、別室に連れて行かれた後、やっとのことで入国できました。しかし、次回からは半年以上間隔を空けるか、ビザを取得するようにと注意を受けました。米国で給料をもらって働いているわけではないのですが、どのようなビザを取得すれば適切なのでしょうか。

 ビザ・ウェイバーでの入国は、基本的には観光目的のために使用されます。米国にて給与を得ないことを前提として短期の商用に用いることもできますが、この場合でも米国へ頻繁に入国するのであれば、ビザ・ウェイバーでの入国は適していません。従って、あなたの場合はB-1ビザの取得をおすすめします。

 B-1ビザは直接、日本の米国大使館または、領事館で書式DS-160で申請することができ、H-1ビザのように大使館・領事館への申請前に米国移民局より認可を得る必要はありません。B-1ビザで米国内において雇用関係に基づく労働に従事することは禁じられていますが、商談、契約を結ぶこと、また、商品の買い付け、市場調査、カンファレンスの参加、訴訟手続き等は行うことができます。
 B-1ビザ取得の条件としては、左記が挙げられます。
❶申請者が米国内に一定の限られた期間のみ滞在すること。
❷滞在期間終了後、米国を離れる意志があること。
❸米国滞在期間中、母国での住居を維持し、それを放棄する意志のないこと。
❹米国への旅費、滞在費および、母国への帰国のための費用が充分に準備されていること。
❺米国内で該当事業に合理的に関連した活動のみを行うこと。

 これらの内容は、あなたの雇用主である会社からの手紙で説明されるのが一般的です。他にも、米国での今後の予定を書面にして提出するのが好ましいと考えられます。

 また、米国での商談相手の会社から、次のことを明記した手紙をもらうのも得策であると言えます。
①会社が取引を行っていること。
②その取引のためにあなたとの商談が必要であること。
 さらに、日本の会社の会計決算報告書、会社案内などを提出することにより、日本の会社がビジネスを継続して行っていること、米国の会社と取引をする充分な資金力があることを証明するのもプラスになるでしょう。

 B-1ビザは一般的に10年間(例外あり)のビザが発行されますが、1回の入国に対して、最長6カ月までの滞在資格が与えられるのが通常です。そのため米国での長期滞在には適しておらず、少なくとも平均して1年の半分以上は米国外に滞在する必要があります。

 ビザ・ウェイバーが延長やステータスの変更ができないのに対して、B-1ビザは米国内においてそれが可能です。例えば、ビジネスが拡大し米国に支店を持ち、収入を得る必要が出てきたような場合、米国内にてB-1からL、あるいは、E-1/2などの他のステータスに変更申請を行うことができます。これにより、米国内で就労し、給与を得ることができるようになります。ただし、この場合、米国を出国すると日本の米国大使館・領事館にて、L、あるいはE-1/2などのビザ申請を行わなければならなくなります。

 B-1の申請には、具体的かつ詳細な米国での滞在計画が必要であり、また、滞在期間終了後、米国を離れる意志があることの説明に関しては、日本に家族がいるというだけでは、説得力を欠きます。日本に経済的な強い関連があることを説明した方が好ましいでしょう。一般的には、日本に会社を持っている、あるいは、あなたのように日本の会社に勤めていて、その雇用が継続されていることを証明すると良いと言えます。逆に、アメリカに(例えば学生ビザなどで)長期滞在した後、日本帰国直後にB-1ビザを申請するような場合は、却下される可能性があるかもしれません。

 日本の米国大使館・領事館で面接を受けてパスした場合、パスポートを預けることになります。パスポートにはB-1ビザが添付され、早ければ3日ほど、遅くとも10日程でパスポートが返送されてきます。


2016年9月号掲載